先日、母と一緒に福山へ行った時のことです。
家族信託の相談で司法書士事務所へ向かうため、駅前のタクシー乗り場からタクシーに乗りました。
司法書士事務所までは車で10分ほど。
ところが、乗った瞬間に「嫌だ」と思いました。
車内があまりきれいではなく、シートカバーもずれていて、ほこりも目につきます。
正直、
「降りたい…」
と思ったくらいでした。
とはいえ目的地までは近いし、乗り込んだ後で「やめます」とも言えないので、そのまま出発。
運転手さんはGoogleマップを見ながら運転していましたが、
最初から少し不信感があったので、私もGoogle mapを開いていて密かに確認しながらの移動。
ボッタクリの心配をしなくて済んだのが、せめてもの救いでした。
問題は到着してからです。
支払いをしようとしたら、
「お釣りがありません」
と言われました。
今回は母の用事で来ていたので、母の財布から現金で支払うつもりでした。
一瞬、PayPayで払おうか?と頭をよぎりましたが、私が言い出す前にすかさず
運転手さんから、
「PayPay使っていますか?」
「カードは?」
と聞かれました。
なんとなくその言い方が横柄に感じてしまい、
「使っていません。現金だけです」
と答えると、
「近くにコンビニがあるので、両替してください」
とのこと。
いやいや。
お釣りがないなら乗る前に言ってほしい。
そもそも、お客に両替を頼む話なのだろうか。
そう思い、
カードもPayPayも絶対使わないと決心。
すると今度は、
「司法書士事務所で両替してもらったらどうですか」
と言われました。
これにも正直カチンときました。
こちらからお願いするならまだしも、初めて行く事務所でいきなり両替を頼むのを前提で話されるのは、どうにも納得できません。
しばらく硬直状態が続いた後、運転手さんは黙ってどこかへ行ってしまいました。
私はまだ料金を払っていません。
でもなぜか領収書だけは手元にあります。
なんとも言えない状況のまま司法書士事務所へ。
事情を説明すると、事務所の方が快く両替してくださいました。
打ち合わせ中、窓からタクシーが戻ってくるか見える場所だったのですが、しばらくして本当に戻ってきました。
事務所の呼び出しボタンまで押して。
無事に支払いは済んだものの、その時に見た運転手さんの手が異様なほど震えていたのが印象に残っています。
怒っていたのか。
緊張していたのか。
体調の問題だったのか。
それは分かりません。
ただ、車内の様子や一連のやり取りもあって、
「もしかして、ちょっと問題のある人だったのかな……」
と後から少し怖くなりました。
普段タクシーでこんな経験をしたことがないので、なかなか衝撃的な出来事でした。
そして帰り。
司法書士事務所の方がタクシーを呼んでくださいました。
先ほどのタクシーの事があったので、何か伝えてくださったのかどうかは分かりませんが、やって来たタクシーは行きとは別世界でした。
車内はきれいに手入れされていて、運転手さんの物腰もとても柔らかく、道中は軽いおしゃべりをしながら快適に駅まで送っていただきました。
同じタクシーでも、こんなに印象が違うものなんですね。
福山では思いがけないタクシートラブルもありましたが、その日の一番の収穫はやはり司法書士さんとの出会いでした。
母への接し方もとても丁寧で、こちらの話もしっかり聞いてくださり、不安だった家族信託についても分かりやすく説明してくださいました。
「この事務所に家族信託の手続きはお任せしよう」
という気持ちは、帰りのタクシーに乗っている頃にはすっかり固まっていました。

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