夫の海外出張で気づいたこと|予定を埋めるより、暮らしを整えたかった

心の整理

夫が10日ほど海外出張に出ています。

行き先はイギリス。

仕事ではないのですが、グリーンツーリズムについて発表をするそうです。

英語が得意というわけでもないのに、そんな大役を引き受けて張り切っている姿を見ると、「すごいな」と思います。

でも正直なところ、私は素直に応援する気持ちだけではありませんでした。

夫は昔から仕事も趣味も忙しく、常に前へ前へと進んでいくタイプです。

一方の私は、この数年、認知症の母のことや子どもたちのこと、自分の体調のことなど、どちらかというと身近な生活を守ることに時間を使ってきました。

夫が悪いわけではありません。

でも時々思うのです。

夫婦なのに、見ている景色がずいぶん違うなと。

そして今回の出張が決まった時も、「一緒に行かない?」と誘われましたが、私は行けませんでした。

仕事も休みが取りにくい。

脚が悪くなり、トイレの場所も定まらなくなった我が家の老犬をどこかに預けることもできない。

呑気について行くことはできませんでした。

私も何かしなければと思った

だからでしょうか。

最初は、この10日間を予定で埋めようとしていました。

友人との食事。

お友達を家に招いてのお茶。

実家の母の用事と重なったけれど、時間調整してでも語りの会へ参加すること。

いつもと違う過ごし方をしたい。

そんな気持ちがありました。

今振り返ると、それは単に暇を埋めたかったわけではなかったのだと思います。

夫は海外へ行き、新しい経験をしてくる。

それなら私も何かしなければ。

そんな対抗意識のようなものが、どこかにあったのかもしれません。

この10日間は、自分を整える時間にしよう

でも、ふと考えました。

仕事は普段通りあるし、犬のお世話もある。

実家の母のところにも通っている。

無理に予定を詰め込まなくてもいいのではないか。

予定を入れることを迷っていること自体、無理をしているのではないか。

そう思って、この10日間は自分を整える時間にすることにしました。

まずは、ずっと後回しになっていた冬の寝具や衣類の片付け。

長年の推し活でたまった雑誌との決別(笑)。

使わなくなったけれど残金が数百円だけ残っている通帳の整理。

本当に必要なものかを見直しながらの断捨離です。

また、3週間後には人間ドックがあります。

最近少し気が緩んでいた食事やおやつも見直すことにしました。

そして生活リズムを整えること。

夜更かしをせず、朝はきちんと起きる。

ひとりの食事でも、簡単でいいからちゃんと作る。

そんな当たり前のことを大切にすることにしました。

それからワールドカップを見ること。

次男が小学生から高校までサッカーをしていたので、我が家では長い間サッカーが身近にありました。

一緒に応援してきた選手たちもいます。

おそらく最後のワールドカップになるであろうレジェンドたちの姿を見届けたいという気持ちもありました。

そして、後回しになっていた夫の仕事関係の事務作業も少しずつ片付けることにしました。

どれも特別なことではありません。

でも今の私は、その予定にどこかワクワクしていました。

4日経って感じていること

夫が出発して4日が経ちました。

正直に言うと、とても快適です。

でも、この快適さは夫がいないからというより、自分のペースで暮らせているからなのだと思います。

朝起きる時間。

食事の時間。

テレビを見る時間。

片付けをする時間。

自分が心地よいと思うリズムで一日を過ごすことで、気持ちが落ち着いてくることに気づきました。

そして実際に過ごしてみてわかったのは、私に必要だったのは新しい予定ではなかったということです。

静かな時間の中で暮らしを整え、後回しになっていたことに取り組み、ただ普通の毎日を丁寧に過ごすこと。

そうしているうちに、頭の中にあったざわざわしたものが少しずつ減っていきました。

何かをしなければという焦り。

自分の毎日はこれでいいのだろうかという迷い。

そんな気持ちを手放していく感覚がありました。

私は物の断捨離をしているつもりでした。

でも本当に片付いていったのは、自分の気持ちだったのかもしれません。

不思議な変化があった

面白いことに、気持ちが落ち着いてくると変化がありました。

入会したものの、「本格的に活動するのは数年後」と後回しにしていた語りの会に、もっと向き合いたいと思うようになったのです。

友人たちとの約束も、

「忙しいけど入れておこう」

ではなく、

「会えるのが楽しみ」

と思えるようになりました。

何かを増やしたわけではありません。

むしろ減らしたことで、自分にとって大切なものが見えやすくなった気がしています。

50代後半になって思うこと

若い頃は、何かを始めることが前向きだと思っていました。

新しいことに挑戦すること。

活動の場を広げること。

予定をたくさん入れること。

でも今は、それだけではないと思うようになりました。

減らすこと。

整えること。

余白を作ること。

それもまた前へ進むことなのだと思います。

夫の海外出張をきっかけに始まった10日間。

最初は少し複雑な気持ちもありました。

でも今は、この時間をもらえて良かったと思っています。

物の断捨離だけではなく、

気持ちの断捨離。

生活の断捨離。

そして、自分にとって本当に心地よい暮らしを見つめ直す時間になっています。

自分らしさは、新しい何かを探しに行った先にあるのではなく、案外、毎日の暮らしの中にあるのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました